KumiFont

KumiFont Column

M PLUS 1pが「親しみやすさ」を生む3つの理由

丸みのあるモダンゴシックM PLUS 1p。なぜ親近感を演出できるのか、形状の特徴から読み解きます。

M PLUS 1pとは何か

M PLUS 1pは、コーセイクリエイティブ社の鈴木丈氏らが開発した日本語ゴシック体ファミリーです。Google Fontsから無料配信されており商用利用可能。Thin から Black まで7段階のウェイトが用意されており、見出しから本文まで対応できます。

このフォントの最大の特徴は、線の終端や角に「ほんのりとした丸み」が施されている点です。Noto Sans JPのような直線的なゴシックと比べると視覚的な硬さが和らぎ、独特の親近感が生まれます。

理由1: 角の処理が柔らかい

M PLUS 1pの「口」「日」のような閉じた漢字を見ると、角がわずかに丸められていることに気づきます。完全な90度ではなく、極小の面取りが施されているのです。この処理は無意識のうちにユーザーの脳に「攻撃的でない、柔らかい印象」を与えます。

人間の視覚は鋭い角を「危険・緊張」、丸みを「安全・安心」と結びつける本能的な反応を持っています。M PLUS 1pの角の処理はこの心理を巧みに利用しているのです。コミュニティサイト、子ども向けサービス、医療系のやさしい雰囲気が必要な場面で効果を発揮します。

理由2: 線の太さに均一感がある

M PLUS 1pは横線と縦線の太さがほぼ均一に設計されています。明朝のような縦横コントラストがないため、見た目のリズムが規則的で安定しており、読み手に「落ち着いた、信頼できる」印象を与えます。

均一な太さは小さなサイズでも視認性が落ちにくいため、UIテキストやスマホ向け本文で重宝されます。同時にウェイトを700以上に上げると一気に存在感が出るため、見出しでも力を発揮します。1ファミリー内でこの幅広さを持つフォントは多くありません。

理由3: ひらがなの曲線が穏やか

M PLUS 1pのひらがなはNoto Sans JPと比べて曲線が緩やかで、丸みが強めです。「あ」「お」「ま」のような曲線を多く含む文字を並べたとき、全体に柔らかなリズムが生まれます。

日本語Webでは漢字よりひらがなが圧倒的に多く出現するため、ひらがなの形状がサイト全体のトーンを支配します。M PLUS 1pのひらがなはユーザーに優しく語りかけるような印象を作り出すため、教育サービス、ベビー用品EC、絵本販売サイトなどで採用されるとブランドメッセージが直感的に伝わります。

注意点は太いウェイト(900)で使うと丸みが強調されすぎ「子どもっぽい」印象になりがちなこと。コーポレート寄りで使うなら500〜700の中間ウェイトに留めるのが安全です。組み合わせは同じM PLUS 1pでウェイト差をつけるか、Noto Sans JPと組むのが王道です。